訪れたのは「沈黙の春」だった
あんなに寒かった益子にも春が訪れて、菜の花や桜が里山を彩っています。春ですね~。
随分と行っていなかった益子の丘の畑。きっとそこにも春はやってきていて、さくらんぼの花が溢れるように咲いているのだろうと想像を膨らませながら、3週間ぶりくらいに畑に向かいました。
そんな私のウキウキな春気分は、畑に着いた途端に打ち砕かれました。益子の丘の畑は「沈黙の春」だったのです。

花も咲かず、虫も飛ばず、雑草さえもほとんど生えていない様子は、まさに「沈黙の春」そのものでした。ビワの木はカラカラに乾燥し、サクランボの木には芽さえも出ていない。咲いているのは桃の花が3つだけ。
何かがおかしい。
一体何がおかしいのか、観察してみることに。
まず、隣の畑には雑草がたくさん生えていますが、こちらの畑に生えている雑草といえばスギナだけです。

スギナというのは、痩せた土地に生える雑草の代表選手のようなものです。以前に土の検査をした時に、水が全く濁らなかったことを思い出しました。栄養になるような有機物が殆ど含まれていないのかもしれません。
そして、スギナにはもう一つ特徴があります。それば、酸性土壌に生える草だということ。以前、土の検査をした時は弱酸性を示したと思っていましたが、リトマス紙の色の判別を間違えたのかもしれません。この土壌はかなり酸性に偏ってそうです。
もう一つ気が付いたことがあります。道路を挟んで向かい側にも耕作放棄地があるのですが、ここも沈黙の春となっていました。

ただの推測ですが、益子の丘の畑も耕作放棄地だった時に、持ち主の方が除草剤などを撒いていたのかもしれません。
とにかく、ここは植物の生育に適さない環境であること、植物が育たないために虫や蝶の姿もなく、生態系が完全に崩壊していることがわかりました。
裏を返せば、そんな状態から人が関わることでどうやって豊かな生態系をつくっていけるのかを実験する良いフィールドということです。
人って逆境に立つとやる気が沸いてくる生き物です。ここをどうやって豊かな場所にしていくが、もう少し本気で取り組んでみようと、決意を新たにした春です。
つづく!